教会便り_319号 (2020_08_30発行)

失せ人(うせびと)  The Missing Ones

以前、父が再臨の説教をする度に、「昔、再臨の際、世界中で起こることを分かりやすく書いた失せ人というトラクトを持っていたが、どこに閉まったか分からず残念だ」言っていました。

そのトラクトを発見しました。先週の土曜日、教会の古い本を整理している時、偶然本の間から出てきたのです。

8ページのトラクトで発行は大正2年(1913年)です。著者はジョン・ウワードという方です。翻訳者は載っていません。

 冒頭にヨエル書2章28節から汝等の老いたる人は夢を見ん。が書かれ、続いて、ある晩、著者が見たと思われる驚くべき夢の内容が独白のような文で語られて行きます。

なぜ、著者自身の見た夢でないかと思いましたのは、登場人物にはっきりと名前がついているからです。

 その夢は、夜明けに目を覚ましてしばらくしてから、妻と娘が家の中に居らず、息子と自分だけが家にいることが分かったことから始まっています。

妻と娘は熱心なクリスチャンで、日頃からキリストはいつ再臨されるか分からない、第一テサロニケ4章14~17節にあるように、聖徒を迎えにキリストは再び来られると言っていたことを思い出し、それに対し、それは単に死の準備について言ったことだと言い張っていた自分のことも思い出しました。

それはそうとして、息子と手分けして妻と娘を探すためでかけました。まず、義理の妹夫婦を尋ねました。この夫婦はクリスチャンで教会でも相当の立場の人でしたが、世俗的でもありました。

そこの家では、昨夜から下女が行方不明になっていました。彼女は忠実なクリスチャンでしたので無断外出はしないはずであると、理解できない様子でした。

そこに息子が慌てた様子で入って来て、あちこちで行方不明者が出ていることを話し出しました。これを聞いて義理の弟は、ある人が話していたことを思い出して話し出しました。

現在の教会員の大多数は名のみ信徒で、神よりもむしろ楽しみを愛する連中で真に信仰する者は少数である。キリストの教会で選ばれた者の数が満たされた時にキリストは突然来られ、死んでいても生きていても聖徒たちは栄光の体に変えられて空中に携え挙げられてキリストに会うという大事件が一瞬にして起きるという話でした。

 それが今起きたのではないかと義理の弟は言いました。

町中が大騒ぎしている中、教会に行ってみますと、牧師がいました。集まった大勢の信者が牧師に詰め寄りました。なぜ大事なことを教えてくれなかったのか。

牧師は答えました。
「私は神学校で学んだ神学を説いていました。その神学が正しいと思っていましたが、矢張り聖書を文字通り信じていればよかったとのだと後悔しております。」(戸川偕生)